フィナステリド（プロペシア）の処方・その歴史
現在AGAの治療薬として代表的なものはプロペシアです。世界で始めての飲むだけでAGAの改善ができる「革命的な薬」として生まれ、話題を呼び続けています。その後、後発薬や、より強い次世代薬としてザガーロも登場し、さらに利用しやすくなっています。こではAGA治療薬処方としてプロペシアの歴史を簡単にご紹介します。
もともとは別の目的で開発が始まった
1991年、メルク社で前立腺肥大の治療薬としてプロペシアの主要成分であるフィナステリドの開発が始まり、翌1992年に米国で前立腺肥大の治療薬としてプロスカー（5mg）の商品名で認可されました。
偶然、思わぬ作用が見つかった
プロスカー発売後の継続的な臨床試験で「髪の毛が増えてきている気がする」という声があがったため、これを新たな目的とする開発が改めて進められることになり、プロスカーよりも低用量の1mgでも毛髪の成長への好影響が認められることが明らかになりました。
フィナステリドの誕生- こうして1997年、米国FDAは世界初の経口によるAGA治療薬として、低用量1mgのフィナステリドを男性型脱毛症の治療薬として認可し、その後MSD社よりプロペシアの薬名で販売が開始されます。
日本での承認・発売- 日本では2005年に厚生労働省にAGA治療薬として承認、プロペシアの薬名で万有製薬（その後MSD社、オルガノン社）より販売が開始されました。AGA治療薬は医師の診察を必ず受ける必要があります。疾病の治療ではなく、いわゆる生活改善薬であるため、健康保険が適用されない自由診療扱いとなり、医療機関が診療費から調剤価格まで自由に設定することができます。日本国内ではAGA治療に特化した医療機関として初めて新宿ウエストクリニックが、続いてさまざまなクリニックが現れ、早く・安く・安全に薬が手に入れられるようになりました。また、プロペシアに続く次世代薬としてザガーロも登場し選択肢が増えました。
プロペシア各パッケージ写真 ※オルガノン社（旧MSD社）
- 後発薬（ジェネリック）の発売
- プロペシアの有効成分であるフィナステリドに関しての特許は2015年に満了したため、その後各社から、一般成分名製剤「フィナステリド錠（会社名）」の販売名で発売され、同様の効果と安全性で、より低価格で入手できるようになりました。AGA治療薬は使用期間が長いのでこれはとても良い状況です。
フィナステリド（東和）
フィナステリド（ファイザー）
- AGA治療薬の「処方」を受けるということ
- AGA治療薬の処方は手軽に受けられるようになりましたが、手軽になったからこそ病院選びは慎重に行わなくてはなりません。多少安いからと飛びついて、インターネット通販などでよくみられる輸入薬品の代行で何らかの被害にあっても、医薬品副作用被害救済制度の対象とはなりません。年単位で飲み続ける性質の薬ですので、ご自身の髪の毛を含めた健康と、大切な時間を守るためにも、医療機関で医師からの処方を受けましょう。